まず押さえる要点
NSWの労災損害賠償では、最初の争点は雇用主の過失そのものではなく、《1987年労災補償法》第151H条の15%全身障害しきい値を満たせるかどうかです。ここで止まると、後段の責任主張が活きません。
先に守るべき重要ポイント
- 第66条(一時金)と第151H条(コモンロー入口)は目的が異なるため、証拠設計を分ける。
- 独立医療評価の診断漏れ・機能過小評価・前提事実の誤りを早期に点検する。
- 全身障害しきい値の立証と過失立証を並行で進める。
- 第39条(260週)による給付停止リスクを同時に管理する。
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なぜSection 151Hが成否を分けるのか
過失証拠を積み上げても、15% WPIゲートで止まれば請求は前に進みません。実務では、まずWPI論証の骨格を固める必要があります。
保険会社はIMEで傷害を分断評価し、全体像を弱めることがあります。連続した診療記録と専門医意見で一貫性を回復させます。
4ステップ実行:閾値・IME・過失・給付
ステップ1:Section 66と151Hを分離。似た資料でも、答えるべき法的質問が違います。
ステップ2:IMEの誤前提を早期に書面反論。誤りを放置すると後で修正コストが跳ね上がります。
ステップ3:過失証拠を同時構築。現場写真、証言、リスク管理記録を早期確保します。
ステップ4:週次給付を守る。支給停止や就労能力争点があればレビュー/PICを並走させます。
争点化前に起きやすい4つの失敗パターン
失敗1:Section 66の結果を151Hの自動通過と誤解する。
失敗2:IMEの欠陥(診断漏れ・事実誤認)に即時反論しない。
失敗3:WPI比率だけに偏り、過失と経済損失の因果を組み立てない。
失敗4:給付停止リスクを軽視し、手続中に生活資金が先に崩れる。
151H争点中でも過失・損失立証を同時に進める理由
実務でよく起きるのは、151H対応に集中するあまり、過失と経済的損失の証拠整備が後回しになることです。閾値通過後に証拠が薄いと、交渉も手続も一気に不利になります。
安定する運用は二軸管理です。A軸でWPI/IME反論、B軸で事故状況・安全管理記録・賃金喪失資料を同時固定しておくと、次段階への移行が滑らかになります。
Section 151H準備チェックリスト(48時間で着手)
収集資料:診療時系列、専門医所見、賃金・税務資料、事故現場証拠、保険会社とのやり取り。
整合性確認:医学所見は15%閾値に直結しているか、事実説明は一貫しているか、損失計算は就労能力変化に対応しているか。
次段準備:閾値やIMEが争点化する場合は、レビュー/PIC導線と給付保全を同時に設計する。
「別チームへ再送してください」と言われた時の当日対応
151H資料の再送依頼が来たら、添付を転送するだけで終わらせないでください。同じメールで初回提出日、添付一式の目録を再掲し、「初回提出時点のタイムラインが維持されること」の書面確認を求めます。
あわせて、151Hと週次給付の重複争点を一元管理する担当窓口を指定してもらい、完全回答が出るまで閾値争点と未払争点を留保する旨を明記します。これで再振り分け遅延を抑えられます。
労災の基礎アンカーページ
NSW労災補償の総合ガイド は、週次給付・治療承認・紛争エスカレーションの土台です。まず基礎を押さえた上で、本ページの個別戦略を進めてください。
よくある質問
Section 151HとSection 66は同じですか?
同じではありません。Section 66は法定一時金、Section 151Hはコモンロー損害賠償の入口要件です。
保険会社に15%未満と言われたら?
IMEの手法と前提事実を精査し、主治医・専門医意見で論点ごとに反論するのが実務的です。
15%を超えれば必ず賠償されますか?
いいえ。15%は入口であり、別途、過失と経済的損失の立証が必要です。
「151H資料を別チームに再送して」と来たら?
再送当日に、初回提出日と添付目録を明記し、初回タイムライン維持の書面確認を求めてください。さらに、151Hと週次給付争点を統括する窓口を1名指定させると遅延を抑えやすくなります。
次にやること
自分の事案がこのページに近いなら、論点を正しいルートに当てはめてから、証拠補強・通知対応・無料チェックの順序を決めてください。